先発はオリックスが新人の光原、広島はデイビー。
デイビーはデカい。神戸の空に突き刺さる尖塔である。三塁側ダグアウト上で見ていた我々の遠近感を狂わせ、かぶりつきで見ているかのような錯覚が起こるほどだ。

さて試合は中盤5回まで、投手戦のような貧打戦のようなスコアレスゲームで、緊迫した展開であった。
そんな緊迫した中、やじるしがやおら最前列ダッグアウト真上まで進み出て、自身のホームページに新たにカープ応援コンテンツをアップするべく、その資料用にデジカメで写真を撮りまくっている。そんな熱いやじるしに王丈が声を掛ける。「一塁コーチのブライアント撮っといてネ」

ゲームが動いたのは6回裏。オリックスの4番ブランボーが、バックスクリーンに3ランHRを叩き込んだ。さらに1点を追加し、4対0とオリックスリード。まずい。

そんな沈滞ムードも束の間、7回表に広島が尾形のタイムリーで1点を返すと、8回表はラロッカ、前田と連続ヒット。マウンド上3人目の吉川はアップアップ状態。ここで緒方に一発が出れば同点という場面が訪れた。3塁側は興奮のるつぼ。

しかし期待の緒方はなんと初球を高々と打ち上げ、ファーストへのポップフライ。次の新井がツーベースを打って2点目が入っただけに、これは勿体無かった。

だが次はノムケンこと野村謙二郎。ランナーは2,3塁、これまた一打同点、一発出れば逆転の場面。
ここでマウンドに登場したのは、山本省吾である。きもがNo.1258にアップしてるように、少年野球時代、若かりし日の野村を相手に、なんと始球式で投げたことがあるという。
それが10数年の時を経て野村と同じプロの土俵での対決が実現した。
このエピソードを知っているきもと王丈は興奮も最高潮。メガホンとペットボトルを叩きまくり声を出しまくり。
「キターーーーッ!」「ヤマモトぉ〜!」「ノムラぁ〜!」「がんがれぇ〜!」

しかし結果はサクサクとフォアボール(苦笑)。山本はワンポイントであっさり香月に交代(更に苦笑)。きもと王丈は首の骨を折るかというくらい前のめりに倒れた(泣笑)。

さあしかしその香月の代わり端を代打のキムタクこと木村拓也がセンターに弾き返して、なんとなんと同点に追いついた!場内は大歓声の渦!きも、あぶだび、MWは立ち上がって万歳万歳の大合唱。
押せ押せというところだったが続く尾形がセンターフライでチェンジ。

だが終盤に来て追いつき「流れ」は確実に広島に向いている。この裏をきっちりと抑え、9回表の攻撃は上位打線から。
いける!いけるよこれは!と意気込んでいる広島ファンの前に登場した抑え役が、永川である。

さきほどブルペンでのウォーミングアップを見に行ったきも、あぶだび、MWは、永川の大暴投を目にして卒倒しそうになったというではないか。いやな予感が漂う。
案の定先頭バッターから二人連続で四球。続くバッターがバント失敗という拙攻があったが、結局このランナーが生きて、オリックス阿部の犠牲フライにより生還。

試合はその後オリックス大久保が9回表を抑え、2年ぶりにセーブがつくというオマケもあってオリックスの勝利。
広島カープの惜敗であった。
(つづく)