「じゃあ教えてやる。バグはPGによってマシンルームの外へ運び出されるんだ。それが
かいだすということばの意味さ。PGはシステムのバグを吸収し回収し、それを外の世界に
持っていってしまう。そしてカットオーバーになるとそんなバグを体の中に貯め込んだまま
死んでいくんだ。彼らを殺すのはマシンルームの寒さでも吉牛の不足でもない。彼らを殺す
のはクライアントが押し付けた自我の重みなんだ。そして春が来ると新しいPGが生まれる。
死んだPGの数だけ新卒が生まれるんだ。そしてその新卒たちも成長すると掃き出された
クライアントの自我を背負って同じように死んでいくんだ。それが完全さの代償なんだ。
そんな完全さにどんな意味がある?弱い無力なものに何もかも押しつけて保たれるような
完全さにさ?」
僕は何も言わず靴の先を眺めつづけていた。

Ref:
村上春樹みずほ銀行
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